イタリア・サルディーニャ農家民宿めぐり13(Santu Marcialisと村祭) by のざけん

 サルディーニャのアグリツーリズモ(農家民宿)「Santu Marcialis」での3日目の夕食。厨房の前を通ると、ここの息子も出動して大がかりに料理の準備をしている。手招きされて部屋に入ると、そこには仔豚の丸焼きがあった。

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 大きなコルクの樹を割ったものに、仔豚の断片が豪快に盛られている。ミルトの枝葉の緑が鮮やかだ。ハサミをもった母と息子がテキパキと仔豚の肉を骨付きのまま切り分けている。それも仔豚1匹や2匹ではなく、10匹分ぐらいありそうだ。まさかこれ全部が今日の晩飯か・・・と一瞬想像してしまったが、それはもちろんありえない。この晩、すぐ近くの街でお祭りがあり、そのための仕出しを頼まれているということだった。
 ミルトは最後に切り分けられた肉片に添えられるだけだが、それでも独特の香りが肉に馴染むという。

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前菜
 さて、3日目のテーブルにつく。この日の前菜は、茄子のローストとトマトとバジルがオリーブオイルで和えられていた。シンプルな料理だが、やはりここの野菜のうまさとオリーブオイルの質の良さ、丁寧なロースト具合が絶妙のバランスで、とても満足感があった。

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 次は、自家製のサラミ。このサラミは脂肪塊が大きいが、その見栄えに反して、優しく上品な味わいである。脂肪分自体が上質でうまい。やはり塩分はそれほど高くない。

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プリモ・ピアット
 パスタは、トマトソースのラヴィオリだった。中にはリコッタチーズが挟まっている。ラヴィオリはフレッシュ(生)の手打ち。ここのトマトソースは、ほんとに優しい味でパスタと馴染んでいて、飽きずに毎日でも食べられる家庭料理のうまさがあった。

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 食卓にはペコリーノチーズ。これを食中にぱくぱくとかじりながら、赤ワインを飲み進める。

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セコンド・ピアット

 今日のメインはもちろん、あの仔豚だ。

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 実際の食卓には、こんな頭部は出てこなかった。今日も仔豚の丸焼きのパリパリの皮を堪能し尽くす。その他のいろんな部位の味わいも、なんとなく分かってきた。切り分けた断片ではなく、丸のままの仔豚にナイフを入れながら食べてみると、部位による味の違いがもっとよく分かるだろう。次にチャンスがあればやってみたいものだ。

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 今日のデザートは、桃 。各自がテーブルの上でナイフで切り分けて食べる。イタリアの男も女も、さすがに食卓のナイフさばきが上手で果物を剥く姿がかっこいい。男たちは、カットした桃を赤ワインの入ったグラスに漬け込んで食べていた。

 この日の夕食は、いつも通り午後8時に始まったが、料理が出される間隔は短く、午後9時40分にはデザートを食べ終わった。これはイタリアの食事ではとても早いペースだ。この日は、すぐ隣の街でお祭りがあり、それに合わせてのペースらしい。お祭りの見学に出かけることにした。

村の祭りを見物

 農家民宿から数百メートル行くと、そこが祭りの行われる街だった。午後10時、小さな街の通りをたくさんの人が往来している。

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 中心となる広場の周辺には、夜店も出ている。

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 お菓子の塊を切り分けて売っていた。

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 ナッツ類の量り売り。

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 夜店を眺めながら歩いていると、見たことのある顔とすれ違った。昨日、DOLIANOVAのワイン工場の瓶詰ラインで働いていたおっちゃんだった。お互いに気がついて、目で挨拶をして通り過ぎた。

 この祭りは、ほんとうにこの小さな街のローカルなものらしい。観光客らしい人はほとんどいない。歩いているのは、地元に暮らす人たちか、その親戚や知り合い、友人ぐらいの範囲だろう。アジア系は私たちぐらい、黒人系の人も全く見かけなかった。
 そして、この街を歩いている人たちの特徴に気がついたのだが、みな一様に背が低かった。男性の平均身長は165cmぐらいかもしれない。日本人の平均よりは確実に低かった。

 広場でしばらく待っていると、午後11時になってやっと舞台で踊りが始まった。男女数組が小さなステップでダンスをする。子どもの組から始まり、大人の組に入れ替わり、踊りが続く。私はヨーロッパの民族芸能には詳しくないが、かなり古風な踊りや音楽だという気がする。イタリアというよりも、中東欧やスペイン・ポルトガル、スコットランド、ケルトなどを連想してしまった。

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 この踊りの伴奏が、この3本笛である。3本の笛を同時に吹いて和音を出している。

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 この3本笛の音色と踊りの様子のムービー。回線に余裕がある人だけダウンロードしてください。AVI形式のQuickTimeムービー22MBです。

ファイルのダウンロード(AVI形式22MB)

 踊りを見ていると、隣の男性が話しかけてきた。なにか一生懸命説明しようとしてくれているが、イタリア語は分からない、日本人だ、と言うと残念そうなそぶりをする。横澤さんを呼んで通訳してもらうと、舞台で踊っている爺さんは97歳だということだった。踊りながら逆さまになったりしていた爺さんである。それはすごい。私の祖父と同い年だ。

 深夜まで踊りを見ていたが、なかなか終わらないので、0時過ぎに農家民宿に戻った。

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コイン精米所 by みゃー介

 脱穀をしても、精米をしてモミガラとお米を分離しなければ食べられない。
 私達はイチノマタからの帰りがけに、コイン精米所に立ち寄った。お土産にもらったお米を、ここで精米するのである。

  コイン精米所ってどんなとこ? 
 とある道の駅にそれはあった。小さなプレハブの中に入ると、精米機がお出迎え。当然無人である。

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 今回は一升(約1、8リットル)ぐらいのもみを、標準で精米してもらうことに。一升ならば、お代はたったの100円。そこらへんの自動販売機よりも安い。

 精米はとても簡単。

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①まずは左に見える金網に、もみを入れる。


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②次に表示に従ってボタンを押し、しばらく待つと精米機がゴウンゴウンと大きな音を立てる。


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③そして右側の青いところに、もみから分離された白いお米が降ってくるのだ。それはもう、パチンコで大当たりをしたときのように、ドジャラジャラーっと降って来る。もっとも、私はパチンコをしたことが無いのだが・・・。

④最後にお米を袋に受け止めて、精米終了である。


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 精米するために、もみともみをこすり合わせるので、精米されたものを触ると意外なほど暖かかった。

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稲刈り鎌と草刈り鎌 by みゃー介

 今回は道具について少し。

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 右にあるのが稲刈り鎌で、左にあるのが草刈り鎌です。
 同じ鎌といっても用途によってここまで形がちがうとは、私も確かめてみて驚きました。

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イタリア・サルディーニャ農家民宿めぐり12(有機農家の組合とビーチ) by のざけん

 この日の午前中は、有機農家の協同組合「S'atra Sardigna(サトラ・サルディーニャ)」の事務所を訪問することにしていた。この組合は、南イタリアでも有数の規模と歴史を持つ有機生産者団体らしい。横澤さんの車で、カリアリの近郊の事務所に向かう。

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 サトラ・サルディーニャのロゴマークのついたトラックが事務所の前に止まっている。外見はただの倉庫みたいな建物を奥に入っていくと、明るく清潔そうな事務所があった。

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 事前に横澤さんにアポイントメントを入れてもらっていたのだが、組合長が出かけていたので、急遽、販売部門の責任者が応対してくれることになった。小柄で40代後半ぐらい、短髪に白髪が軽く混じっている、優しそうな男性だった。物腰も柔らかで落ち着いた雰囲気だが、子どものような瞳の輝きもある。Marioという名前の彼は、設立当初からのメンバーらしく、いろんな質問に丁寧に応えてくれた。

S'atra Sardigna(サトラ・サルディーニャ)の歴史と現在
 Marioに聞いた話をざっとまとめる。
 サトラ・サルディーニャは、1982年に20代の若者5人ほどで始めた。それまで、こういった有機農業の生産者の組織はサルディーニャにはなく、最初は自給用の農産物を作るところから始まった。当初のメンバーには農家出身者もいたが、全く農業が初めてのものもいた。ボローニャ大学で有機農業を勉強したものもいた。
 そして、カリアリの街中に、有機野菜の店を開き、そこで自分たちで直接農産物を販売するようになった。これが評判になり売り上げを伸ばしていく。1986年にはドイツを中心に輸出を始めた。1990年代にはEUの補助金を受けてメンバーも増えたが、現在は補助金がなくなったので一時期より20%ほど生産者数は減っている。現在、生産者約100軒、流通に携わる組合のスタッフが15名である。

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 いま販売しているのは、生鮮野菜や果物各種、パスタやパンや蜂蜜などの加工品、オリーブオイルやワインなどである。全て、Biologiche(ビオロジック=有機)で生産され、認証を受けている。

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 全体の6割を輸出しており、ドイツ、イギリス、フランスなどEU圏内が中心である。日本にも少しだけ輸出している。9月末に東京で行われた有機食品のイベント「Bio Fach」にも出店して、Marioが出かけたようだ(そのときの様子が、やまけんのblogにレポートされている)。
 また、直営店がカリアリ市内などに3店あり、そこでの売り上げが2割ほどになっている(直営店もこの日に訪問した)。
 サトラ・サルディーニャは、他に、アグリツーリズモも運営している(今回の滞在で、このアグリツーリズモに宿泊したかったのだが、ちょうど休みに当たってしまって泊まれなかった)。

 多くの生産者からの有機農産物の品質を保つ努力や、生産者との契約の形態、イタリアでの有機流通の様子など、さまざまな話を2時間ほど聞いたが、最後まで丁寧に応えてくれてありがたかった。お昼に近づいたので、お礼を述べて切り上げ、カリアリ市内の直営店舗を見学することにした。

 サトラ・サルディーニャのWebのURLをメモしておこう。
http://www.satrasardigna.it/
 イタリア語、英語、ドイツ語、日本語のページがあり、商品紹介などしっかりされている。

カリアリ市内の有機食品販売直営店

 カリアリ市内の繁華街から少しはずれた小さな通りに、サトラ・サルディーニャ直営の有機食品販売店舗があった。州議会や地元銀行本店のすぐ近くである。間口は狭いが奥行きがたっぷりある建物であった。日本のコンビニよりも二回りぐらい大きいサイズで、商店街などによくある最小規模のスーパー程度の面積である。平日の昼間だったが、ここの表の人通りに比べて、店内にはお客さんがいるような感じを受けた。

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 店内をざっとみると、野菜、肉、魚、チーズなど生鮮品の売り場もあるが、それほど大きくはなく、それ以外の加工品や食材、日用品売り場が中心のようだった。

 印象に残った棚の画像をあげておく。まずは、Bioのワイン売り場。サルディーニャだけでなくイタリア各地のBioのワインが揃えられている。もちろん、サトラ・サルディーニャのワインも数種類おいてあった。

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 Bioのワインについては、製品の水準の振れ幅が大きくて、選ぶのは非常に難しい。ハズレもあるがたまに大当たりもある。この棚は、そういうこだわりがあるわけではなさそうな扱いだった。

 生産者の顔写真入りのパッケージの米がある。「○×兄弟のお米」という感じだろうか。それっぽい兄ちゃんたちが映っている。

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 Bioのコーラが並んでいた。スナック菓子やクッキーなども、豊富な種類があった。

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 サトラ・サルディーニャのオリーブオイル。500mlが3.99EURO。

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 一通り店内を見て、オリーブオイルやレモンチェッロ(サトラ・サルディーニャの製品)を買って店を出る。日本でいうと、地方都市にあるナチュ○ルハウスのような感じで、あまり出入り客は多くないが、それなりに持続的な商売になっているようである。


Chiaのビーチ

 この日は、カリアリから南下して、サルディーニャ島の南端のChiaのビーチを目指すことになった。海岸沿いの干上がった塩湖を眺めながら40分ほどドライブ。幹線道路は海岸から少し内陸に入ったところを走っている。
 舗装されてない駐車場に車を入れて、砂の上を数100mあるいてビーチに向かう。

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 幅広く、美しい砂浜のビーチだった。海は明るいグリーンで、濁りがほとんどない。さすがに、横澤さんの一押しのビーチだけあって美しく、スケール感も充分、人の密度もほどほどで、申し分なかった。

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 そして、南向き(に近い)方角のビーチであるというのも重要だ。やはり、ビーチは南向きが最高なのである。海に向かうとその上に太陽がある、というビーチの方角的なこだわりを持つのは私だけだろうか? 太陽を背にして海に向かうというのは、南に太平洋を眺めて育ってきた私には違和感がある。例えば、日本海の海岸に行っても、なにか違う、しっくりこない、それはビーチの向きにあるということに数年前に気がついた。自然の感じ方や好みも、育った環境に影響されることがやはり多いのだろう。

サルディーニャのビーチが美しい理由

 サルディーニャでは、島全体、どこに行っても美しいビーチに出逢える。いろんなタイプのビーチがあるのだが、そのどれも同じように美しい。その理由を幾つか推論してみた。
 まず、海水中に泥がほとんど存在しない。これがビーチの美しさを生み出す大きな要因だろう。

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  (クリックすると別ウィンドウで拡大)

 泥がなければ、このように波打ち際まで濁りのない透明状態を保つことがたやすくなるだろう。白い泡の部分も、下の砂が動かず、そのままである。
 なぜ泥が少ないのかというと、陸上から供給されないから、ということになりそうだ。雨が比較的少なく、大きな川も存在しないところでは、陸地由来の濁りも少ない。泥の無い海底はきれいで、砂の白さが際だつ。

 このビーチの砂を拡大してご覧あれ。
  (クリックすると別ウィンドウで拡大)
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 まるで、紅茶やコーヒーに使う上等の砂糖のようだ。ひとつひとつの結晶の独立感が美しい。
 白い砂や石の海底は、太陽の日差しを受け、海水中に白い光を散らし、青色を減衰させることで、エメラルドグリーンの色が生みだされる。サルディーニャのグリーンの海は、白い砂と太陽、そして雨の少ない地中海性気候が当たり前に作り出してきたものだ。

 そして、このビーチを保つための人間の側の努力にも気がついた。例えば、美しい海岸線は、建造物が目立たない、というか存在しないところが多い。法律や条例で海岸線への建築規制が行われている地域があるようだ。
 家庭排水のことなども気になったが、具体的には知ることができなかった。しかし、話を聞いたり目に入った範囲では、排水を水路に直接流しているようなところはなかった。

 Chiaの美しいビーチを夕方まで堪能して、農家民宿の晩飯に間に合うように戻る。

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